バイオフィルムとは
感染症の65%はバイオフィルムが原因といわれています。これまで細菌の研究は、バラバラの細菌を相手にしていたのですが、細菌たちは集団になると全然別の性格になることがわかってきています。そこでバイオフィルムという考え方が重要になってきました。
バイオフィルムが下水管を詰まらせた、錆びないはずのステンレスが腐食した・・・バイオフィルムは閉鎖的な環境をつくって腐食を加速するのです。毒性の低い細菌で大きな被害が出るのもバイオフィルムの仕業です。
バイオフィルムは細菌のスラム街みたいなもので、あたりをうろうろしている細菌は、そこに引き寄せられ、バイオフィルムは拡大増殖していきます。まるで群集心理のように細菌同士がお互いに影響し合い、別の性格に変わります。密度が高くなれば情報も多くなり、ある密度を超えるとみんなで有害なたんぱく質や酵素をつくり始めます。
抗生剤も殺菌剤も効果がなく持続的に強い有害物質を出しつづけるバイオフィルムにはこのような性質があることがわかってきました。