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予防歯科への招待 part1

むし歯の治療を行っているのに、結局むし歯で歯を失っているのは、むし歯の治療に問題があるからです。
といっても歯科医の腕のことをいっているのではありません。
むし歯がミュータンスレンサ球菌という菌による感染症だということを知っていますか?
むし歯になったということは、口のなかにこの菌がいっぱいいることを意味します。この菌を減らさないかぎり、むし歯になりやすい環境はそのままです。
つまり、むし歯になったところを取り除いただけでは、遅かれ、早かれ、またむし歯になってしまうのです。
むし歯の治療だけでなく、むし歯を引き起こした口の中の環境を改善することこそが、本当の意味でむし歯の治療といえます。

むし歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌がたくさん口の中にいると、その菌が歯の表層のエナメル質にとりついて、食べ物に含まれる砂糖をえさに乳酸や酢酸を作り出します。その酸のせいでむし歯がつくられていきます。
ミュータンスレンサ球菌と砂糖が出会うと、酵素を分泌して、ねばねばしてくっつきやすい粘着力の強いグルカンというものをつくり出します。
このグルカンが歯の表面にべったり張りつき、そこにいろいろな菌が集まってきます。歯垢(デンタルプラーク)と呼ばれるものです。歯垢は食べ物のカスのように見えますが、すでに細菌の集団なのです。

 最初のうちは歯ブラシでこすればとれますが、しだいに厚みを増し、その中で菌が増殖して、膜をつくっていきます。これが「バイオフィルム」です。このバイオフィルムにおおわれた歯は、ミュータンスレンサ球菌が出す強い酸に溶かされ、むし歯ができていくのです。

プラークをつくらない、バイオフィルムをつくらない、これがむし歯の本格的な治療であり、予防なのです。
haburasi