天然歯の歯周組織に起こる歯肉炎や歯周病はみなさん一度は聞いたことがあると思います。
しかし、インプラントに起こる“インプラント周囲病変”はどうでしょうか?
1、インプラント周囲粘膜炎・・・炎症は周囲粘膜のみで骨に異常なはく、歯肉に赤みや腫れがみられます
2、インプラント周囲炎・・・骨にまで炎症は波及しています。歯肉に赤みや腫れに加えて膿がみられることが多いです
インプラントだからもう大丈夫だといって口腔内の清掃を疎かにしてしまうと、インプラントの周りにも炎症がおきてしまいます。
今回は天然歯とインプラントを埋めた歯の歯周組織の違いと症状についてお話ししたいと思います。
<症状>
・インプラント周囲粘膜の発赤
・歯肉の腫れ
・痛みや出血
・膿が出る
・歯肉の退縮
・インプラントの脱落
インプラント周囲炎が起きているということは、歯周病原細菌が増殖しているということです!!!
なのでほかの歯への炎症も起こりやすくなります。
その他に、増殖した歯周病原菌は歯茎の血管を通じて血液中や、唾液に混ざり体の中へ流れ込むことで、糖尿病や心臓病、呼吸器系の病気や動脈硬化など様々な全身疾患への悪影響を及ぼします。
ではなぜインプラント周囲病変が起こるのでしょうか・・・。
毎日のケア(歯磨きやフロス、歯間ブラシを使った清掃)が不十分であるために、インプラントまわりにプラーク(歯垢)が停滞してしまうと歯周病原菌が増殖し骨にまで炎症がおきてしまいます。
最悪の事態を防ぐために毎日のケアを意識して行ったり、定期検診やクリーニングで定期的にお口の中を診せてください!
下のグラフは口腔清掃が出来ている人と出来ていない人を比べた骨の喪失量のグラフなのですが、
口腔衛生が悪い人だと良い人に比べて、平均0.4㎜も骨の喪失量が多いことは明らかなのです。
骨が少なくなるということはインプラントを支える支持骨がインプラントを支えられなくなっていきます。
インプラントの脱落までいってしまうと大変です・・・
早めに気づけば対処できますので、長い間歯医者にかかってない方は一度行った方がいいですよ!
他の原因では、補綴物の形態や歯周病の既往歴、喫煙などもインプラント周囲病変を発症させるリスクファクターとなります。
これらは歯周病とも深い関わりがあるので、ぜひ一度生活習慣を見直してみて下さい!