睡眠歯科

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睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは

7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸状態が30回以上起こる、また睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こると睡眠時無呼吸症候群だと言われています。

大きないびきも睡眠時無呼吸症候群の特徴のひとつだと考えられており、呼吸障害を引き起こす病気のため、深い睡眠を取ることができず、日中眠気に襲われたりします。

その他にも下顎の後退、下顎が小さい(小下顎症)、かみ合わせが深い(過蓋咬合)などの症状がみられると口の中の容積が小さくなり、舌は後ろ(喉の方向)に押し出されやすくなります。

成人では加齢に伴う舌周りの筋力低下が影響するとも言われており、舌根(舌を動かす筋肉と脂肪のかたまり)がその重力と筋のゆるみにより喉の方向に落ち込む舌根沈下が起き、顎や舌が気道(呼吸の通り道)を塞いでしまい、気道が狭くなることで睡眠時無呼吸症候群が発生すると考えられます。

また放っておくと血中の酸素不足により心肺機能へ大きな負担がかかり、脳梗塞や心筋梗塞生など命にかかわる合併症を生じる可能性もあるので現代病だと言われています。

日本国内における睡眠時無呼吸症候群の患者は約500万人とされているが、治療中の患者は約10分の1の40万人程度と少なく、多くの患者は放置されているのが現状です。

睡眠時無呼吸症候群の発症原因として代表的なのが肥満。肥満の人は軟口蓋や喉にも脂肪がつき、それによって上気道を狭め、発症率が高くなります。

性別で見ると男性の方がかかりやすい傾向にあり、発症率は女性の2~3倍と言われています。

女性はホルモンの一種であるプロゲステロンが脳の呼吸中枢を刺激し、呼吸を促す作用があるため無呼吸を起こしにくいと言われていますが、閉経後からホルモンの分泌が少なくなり無呼吸を起こしやすくなるので注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

・大きないびきをかく
・夜中に何度も目が覚める、熟睡できない
・起床時の頭痛
・記憶力の低下、物事に集中できない など

睡眠時無呼吸症候群の主な合併症

・脳梗塞
・心筋梗塞
・不整脈
・高血圧
・糖尿病 など

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療法はいくつかあります。

CPAP療法

睡眠時無呼吸症候群の第一選択と言って良いのがCPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法、通称シーパップ)です。

CPAPとは、鼻に装着したマスクから圧力を加えて空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除くことにより無呼吸を防ぐ方法です。

マスクにはいくつかの種類があり、鼻だけを覆うネーザルタイプ、鼻孔に直接装着するピロータイプ、鼻と口の両方を覆うフルフェイスタイプなどがあります。

【メリット】

・装着したその日から睡眠時無呼吸症候群を改善できる
・体へのダメージが少ない
・熟睡感が得られ、生活習慣予防を改善できる

【デメリット】

・鼻や口の違和感、目の乾燥
気流にさらされることで鼻や口が乾燥したり目に違和感が生じたりすることがあります。
・腹部の張り、おなら 装置から送り込まれる空気を飲むことで腹部に張りが生じたり、おならが出やすくなることがあります
・CPAPは根本治療ではない


CPAPはあくまで空気を送っているだけなので根本的な治療法ではありません。

検査を受けた上で一定の条件を満たさなければ医療機関からCPAPの使用・貸出は認可されず、レンタルが可能となっても毎月の検査が必要です。

これらの検査料やレンタル料は保険適用の対象(無呼吸や低呼吸の状態が深刻な場合のみ)ではありますが、長期的に支払い続けると費用が嵩みます。

オーラルアプライアンス(スリープスプリント)療法

<ソムノデントMAS(自由診療)>

ソムノデントは患者個々の歯列に合わせてカスタムメイドされた上下顎が分離型の口腔内治療装置で、治療効果は世界30か国を超える国々で臨床的に実証されている装置です。

ソムノデントアヴァント(新製品)

従来の製品(フレックス)と比べ強度20%向上、サイズ33%小型化されています。

上下の開閉に併せ左右側方に自由度があり、顎関節/拘束感の影響が少ないです。

下顎位置の調整は専用ストラップで行います(1mm単位)


【ソムノデントはこのような方にオススメ】

・保険治療で作製した上下一体型のマウスピースの使用にお困りの方
・CPAPの適用にならない方
・CPAPが使用困難、又は抵抗のある方
・CPAPユーザーで旅行や出張が多い方
・災害時に備えたい方(マウスピースは電源不要です)

<保険適用のマウスピース>

保険内で作製するには医師の診断が必要で一定の条件を満たすと保険が適用されます。

保険適用のマウスピースは上下顎一体型のみで、上下が固定されているため口を動かすことができません。

ただ1万~2万円程度で作製できることから日本では多くの睡眠時睡眠時無呼吸症候群の患者は上下顎一体型のマウスピースを治療に使用する傾向があります。

しかしこのような上下一体型のマウスピース(モノブロック型)は現在日本でしか使われていないのが現状で、効果は限定的です。

一時期的に症状が改善されても長期的にマウスピースを装着することで臼歯部の沈下が起こり、結果、症状が再発することが多いため、当院では保険適用のマウスピースはおすすめしていません。


このような一般的な治療も取り入れていますが、当院では舌の位置を矯正するようなマウスピースを作製していますので一例をご紹介します。

    パラタルプレート

    (上顎に装着し口蓋を広範囲に被覆したもの)

    パラタルプレートの一例

    リンガルプレート

    (下顎の内側に装着するもの)

    リンガルプレートの一例

このデザインの他にも症例に合わせデザインを変えたマウスピースを何種類か作製しており、マウスピースを装着し舌が正しい位置になることで症状の緩和・改善が期待できます。

当院のHPをご覧になっていただき
ありがとうございます

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