インプラント症例報告4

院長の石本です。インプラントの症例報告をさせて頂きます。

今回も症例報告は多数歯となります。

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初診時の状態です。

左上と右下の奥歯がないすれ違い咬合の状態です。このようなすれ違い咬合は義歯での治療がは難しく、この患者さんも咬み合わせが安定しませんでした。

咬み合わせが低く前歯に負担がかかり、上下とも今にも抜けてしまいそうな状態でした。

 

 

 

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初診時義歯装着時。

義歯を装着していない状態(写真上)。下の前歯の見え方が変わりません。つまり臼歯部が低く前歯の負担が大きいことが理解できます。

 

 

 

 

 

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患者さんは他の病気で入院してしまい来院が途絶えました。再度来院した時には上顎の前歯が自然に抜けてしまいインプラント治療を強く希望なさいました。

上顎は天然歯を2本残し7本インプラントを埋入、下顎はインプラントを4本埋入の計画を立て、審美的、機能的回復を目的に治療を開始することとなりました。
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インプラント補綴装着後の状態。患者さんは咬み合わせが安定して肩こりがなくなるばかりか、イライラしなくなり精神的に安定したと喜んでおられました。

下顎の前歯はスーパーボンドで固定して様子を見ていましたが動揺が激しく、前歯を思い切って使えないこと、介入が遅れると大規模なGBRが必要であることを考え抜歯してインプラント治療に踏み切ることになりました。

 

 

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右下2、左下1を抜歯してインプラントを埋入します。抜歯即時埋入は口蓋側低位埋入が原則となります。しかし下顎の場合舌下動脈、オトガイ下動脈が問題となりますので舌側を剥離して3次元的な位置を確認してインプラントを埋入する必要があります。

右下1は仮歯を装着するため最終補綴物装着時まで残し、最終補綴物装着と同時に抜歯する予定です。

 

 

 

 

 

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抜歯と同時にインプラント補綴が装着された状態。抜歯した部位にはPRFがはさめてあります。PRFについてはいつかこのコーナーで詳しくご説明しようと考えています。

 

 

 

 

 

 

113.jpg 下顎前歯インプラント補綴装着後3カ月の状態。抜歯窩は補綴形態に沿って治癒し良好な予後が期待できます。

右下2の歯冠長も短くなり審美的な改善もお分かり頂けると思います。

 

 

 

 

 

19.jpg術前のレントゲン写真 

 

 

 

 

 

 

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治療後のレントゲン写真

インプラント症例報告3

今回は上顎フル

マウスの症例報告をさせて頂きます。

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初診時の状態。

主訴は歯の動揺による咀嚼障害でした。上顎臼歯部は動揺が激しく患者さんはインプラント治療を希望して来院なされました。前歯はスーパーボンドで固定された状態でした。患者さんは審美的、機能的回復を望んでいました。

 

 

 

1.jpgのサムネール画像

上顎の歯槽骨の吸収が激しくほとんどの歯が保存が難しい状態でした。患者さんと話し合いの結果上顎を優先的にインプラント治療を行うことにしました

 

 

 

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補綴物が装着され1年後の状態。歯肉の連続性が獲得され、機能的にも何でも咬めるようになりご満足頂くことができました。この補綴物は治療開始から5カ月で装着されています。上顎洞挙上術、抜歯即時埋入を駆使して5カ月で補綴物を装着できるのはHAインプラントを使用しているからです。

 

 

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術後のレントゲン写真。サイナスリフトされインプラントが埋入されていることがお分かり頂けると思います。

抜歯即時埋入を戦略的に行うことで大規模なGBRを行うことなく低侵襲、短期間でインプラント治療を終了することが可能となります。

インプラント症例報告2(国際歯科大会 2010)


今回は昨年の国際歯科大会で講演したさいに提示した症例報告をさせて頂きます。

国際歯科大会は4年に一度行われる約7000人の歯科医療従事者が集う歯科界では世界で一番大きなイベントです。

このような大きな学会で講演できたことを光栄に思っています。

その国際歯科大会で抜歯即時埋入vs抜歯待時埋入のインプラント治療に関するパートで講演させて頂きました。

P1000782.JPG会場の横浜パシフィコ

右に行くと国際歯科大会の会場

左に行くと国際デンタルショーの会場です。

 

 

 

 

 

 

P1000777.JPGワールドデンタルショーの会場です。

世界最大級デンタルショーで各社最新の商品が展示されていました。

 

 

 

 

 

 

 

国際歯科大会での講演のメインの症例をご紹介させて頂きます。

演題は「骨伝導能を利用した抜歯即時埋入」でした




11 (2).jpg長期に口腔内を放置したため崩壊が著しいのがお分かり頂けると思います。

目黒駅の歯科医院に通院するには片道約2時間程かかりますが、当院でのインプラント治療を希望なさいました。

 

 

 

 

 



017.jpg左下4番の状態。

歯が溶けるように削れています。

1990年代にマッコイがコンプレっションシンドロームとという言葉で紹介した特異的な力がかかり歯に圧電流が発生して起こる現象です。

かみ合わせの力の歪がこの歯に集中したことが予想されます。当然その力の歪は体全身に波及してひどい腰痛持ちで1週間に2回は整骨院に通院しなければならない状態でした。

 

 

135.jpg 治療開始から3ヵ月半の短期間で補綴物が装着されました。上顎は天然歯をすべて抜歯して抜歯即時埋入を含めインプラントが7本埋入されました。下顎は両側第一大臼歯部に2本インプラントが埋入されています。

左右対称に歯肉の連続性が獲得され審美的にもある程度満足いく結果となりました。

骨伝導能を有するHAインプラントを用いることにより低侵襲で効率がいいインプラント治療が可能となります。

 

136.jpg補綴物装着後2週間の状態。

補綴物に沿って歯間乳頭が成長してきていることがお分かり頂けると思います。

講演時のスライドがスライドが白黒だったので再現してみました。

患者さんは73歳で平均寿命まであと10年です。83歳まで患者さんが生きたとすると治療に2年かけたら残りの人生の1/5を治療に費やすことになります。3か月半という短い期間で治療が終了したことは患者さんにとってとても有益なことなのです。

腰痛がなくなり、手足のしびれも軽減して、整骨院も全く行かなくなったそうです。「口は体の要なんですね。」とうれしい言葉を頂きました。去年は予定していた京都旅行を腰痛のため直前にキャンセルしたそうですが、今年は海外旅行への意欲を語っておられました。

 インプラントを欠損補綴に使用して患者さんの顎位を立て直す。そして健康な顎口腔系の機能により患者さんは健康を取り戻す。そんなことをいとも簡単に魔法のようにできてしまうインプラントロジストになりたいと若き日に夢見てました。この患者さんを治療して少しその理想に近づけたような気がします。

 

11111.jpgのサムネール画像

術前のレントゲン写真 

 

 

 

 

 

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術後のレントゲン写真

インプラント症例報告1(YEAR BOOK2011)


 
クインテッセンス社から毎年 インプラント YEAR BOOKが出版されます。インプラント YEAR BOOKは日本にあるインプラントメーカーの商品説明を目的に毎年出される雑誌Quintの別冊で、臨床家がメーカを代表してそのパートを書くことになっています。今回株式会社ハクホウのインプラントスプラインのパートを担当させて頂きました。今更という感じですが、クインテッセンス社の山形さんとのお付き合いもありまして書かせて頂きました。

掲載した症例は天然歯補綴とインプラント補綴の調和(歯肉縁形態の連続性)についてをテーマにしています。

最近サボっていた症例掲載を YEAR BOOKの症例を掲載することで再開しようと思います。




術前の状態
1.jpgのサムネール画像

インプラント治療を希望して大学病院のインプラント科をを受診しましたが、上顎洞までの距離が短かく侵襲が大きく治療の難易度が高いと説明を受けたそうです。

当院では上顎洞を挙上する際に低侵襲である歯槽頂アプローチを選択することが多いことを説明させて頂きました。

目黒駅の歯科医院に通院するには片道1時間以上かかりますが当院でのインプラント治療を希望なさりました。



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インプラント治療術後の状態

 

右上2と左上4は予知性が低いため抜歯となりました。上顎天然歯は左上13のみで、後はインプラント補綴となります。

歯肉の連続性が獲得され審美的に補綴物が装着されたことがお分かり頂けると思います。

 

 

 

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仮付けされている補綴物を外した状態。

補綴物に沿って左右対称に歯肉縁形態が獲得されています

 

 

 

 

 

1.jpgのサムネール画像

術前のレントゲン写真 

 

 

 

 

 

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術後のレントゲン写真