右上2番、左上2番狭窄歯列弓治療例

上顎前歯部にサイナスリフトが必要な症例

来院時の主訴は臼歯部の動揺と咀嚼障害でした。両側サイナスリフトを行い機能回復を行いました。臼歯部には10本のインプラントが埋入されています。患者様は78歳、前歯のインプラント治療にも積極的です。それは臼歯部の治療において低浸襲に治療を行い痛み、腫れを最小限に抑えることでインプラント治療に前向きになったと言えるでしょう。前歯部の無理な設計のブリッジを外しインプラント治療へと治療計画は進んでいきます。
前歯部の狭窄歯列弓かつサイナスリフトのコンビネーションの難症例です。歯科医の先生に参考にして頂けると幸いです。

初診時のCT画像 【1】 CTのイメージ像。右側犬歯の頬側の骨が吸収してこのままでは犬歯も脱落していくでしょう。側切歯部位にインプラントを埋入して、犬歯は再生療法による歯周処置にて保存していく計画を立てました。
前頭面のCT像 【2】右上2の前頭面のCT像。上顎洞が拡がっていてサイナスリフトが必要です。
矢状面のCT像 【3】矢状面のCT像。狭窄歯列弓でかつサイナスリフトが必要です。CT像によりインプラント埋入部位の骨幅、サイナスまでの距離が正確に計測可能となります。
術前の咬合面観 【4】術前の咬合面観。
犬歯の骨欠損の状態 【5】犬歯近心の骨欠損が大きくロングスパンのブリッジのよるダメージは大きく、再生療法を行います。動揺が少ないことから保存する方向で治療を進めていきます。
インプラントを埋入した状態 【6】インプラントを埋入した状態の咬合面観。口蓋側、低位埋入が基本となります。右上2は歯槽頂からサイナスリフトをおこない同時埋入した状態です。
口蓋側の骨造成の様子 【7】口蓋側の裂開症例のためHAメンブレンテクニックにより口蓋側のGBRを行っていきます。HAメンブレンテクニックによるGBRは一般的なGBRより低浸襲に行うことが可能です。
縫合した状態 【8】縫合した状態。PRPを使用することはその血小板の効果で止血を容易にします。
術後の前頭面のCT像 【9】術後の前頭面のCT像。右上2のサイナスが挙上されていることが確認できます。
右上2の術後矢状面のCT像 【10】右上2の術後矢状面のCT像。ピンポイントの埋入であることがご理解頂けると思います。【9】同様にサイナスの挙上が確認できます。
型採りの様子 【11】術後4ヶ月で2次手術を行い、印象採得へ移行します。
補綴物装着時の正面観 【12】最終補綴物装着時の正面。インプラント埋入後約5ヶ月で終了しました。審美的、機能的回復がなされています。下顎のステインを除去した写真を後日アップするようにします。

側切歯部のインプラント埋入でサイナスリフトを行うことはほとんどなく、貴重な症例かもしれません。審美領域の狭窄歯列弓にサイナスリフトが絡む難症例ですが、シンプルに低浸襲に治療期間を短縮して治療を終了することで患者様の期待に応えることができました。